61回(1969年上半期)

芥川龍之介賞

1969
公開日:
1/1/1969
イベントID:
424
対象書籍数:
2冊

対象書籍

深い河,辻火: 田久保英夫作品集

深い河,辻火: 田久保英夫作品集

講談社

ストイックで気品溢れる文体で描く人間模様朝鮮戦争中の九州の兵站基地で、徴用される馬の世話をする青年の苦悩を追った芥川賞作品「深い河」、川端賞作品「辻火」等、初期から晩年に至る代表作7編を収録 続きを読む

ISBN-10: 4061983792
ISBN-13: 978-4061983793
赤頭巾ちゃん気をつけて

赤頭巾ちゃん気をつけて

新潮社

60年代から2010年代へ――。伝説のミリオンセラーふたたび!芥川賞受賞作。 学生運動の煽りを受け、東大入試が中止になるという災難に見舞われた日比谷高校三年の薫くん。そのうえ愛犬が死に、幼馴染の由美と絶交し、踏んだり蹴ったりの一日がスタートするが――。真の知性とは何か。戦後民主主義はどこまで到達できるのか。 青年の眼で、現代日本に通底する価値観の揺らぎを直視し、今なお斬新な文体による青春小説の最高傑作。「あわや半世紀のあとがき」収録。 目次 赤頭巾ちゃん気をつけて 翌日読んでもらいたいささやかなあとがき 四半世紀たってのあとがき あわや半世紀のあとがき 解説苅部直 本文冒頭より ぼくは時々、世界中の電話という電話は、みんな母親という女性たちのお膝の上かなんかにのっているのじゃないかと思うことがある。特に女友達にかける時なんかがそうで、どういうわけか、必ず「ママ」が出てくるのだ。もちろんぼくには(どなるわけじゃないが)やましいところはないし、出てくる母親たちに悪気があるわけでもない。それどころか彼女たちは、(キャラメルはくれないまでも)まるで巨大なシャンパンのびんみたいに好意に溢れていて、まごまごしているとぼくを頭から泡だらけにしてしまうほどだ。特に最近はいけない。 庄司薫 1937(昭和12)年東京生れ。日比谷高校を経て、東京大学法学部卒。1958年、『喪失』(本名の福田章二で執筆)により中央公論新人賞受賞。1969年『赤頭巾ちゃん気をつけて』で芥川賞受賞。著書に『白鳥の歌なんか聞えない』『さよなら快傑黒頭巾』『ぼくの大好きな青髭』『狼なんかこわくない』『ぼくが猫語を話せるわけ』『バクの飼主めざして』がある。 続きを読む

ISBN-10: 4101385319
ISBN-13: 978-4101385310