100回(1988年下半期)

芥川龍之介賞

1988
公開日:
7/1/1988
イベントID:
463
対象書籍数:
2冊

対象書籍

由煕

由煕

講談社

第100回芥川賞受賞 悩み、傷つき、悲しみ、彼女は帰って行った…… 民族の、言語の、存在の意味を問う、感動の作品集。 在日韓国人の祖国における心の揺れを描く。主人公の女子学生由熙は、韓国の大学に入るが、周囲の韓国人との生活に常に違和感を抱き、ついには日本へと帰ることになる。在日韓国人二世の新しい世代を描く。 続きを読む

ISBN-10: 4062043033
ISBN-13: 978-4062043038
ダイヤモンドダスト

ダイヤモンドダスト

文藝春秋

火の山を望む高原の病院。そこで看護士の和夫は、様々な過去を背負う人々の死に立ち会ってゆく。病癒えず逝く者と見送る者、双方がほほえみの陰に最期の思いの丈を交わすとき、時間は結晶し、キラキラと輝き出す…。絶賛された芥川賞受賞作「ダイヤモンドダスト」の他、短篇三本、また巻末に加賀乙彦氏との対談を収録。南木氏はこれまで、医師の立場から死んでゆく末期癌の患者の日常を緻密に描くことで人間の生と死の意味を問いつづけてきたが、今回の「ダイヤモンドダスト」では、医師をベテラン看護士に変えて視野をひろげ、変貌する別荘地の病院を中心にそこの自然と住人たちの生活を、リズミカルでしっとりと落ち着いた文章で厚み豊かに描き出すことに成功している。登場人物のうちでも、以前は火山の裾をめぐる軽便鉄道の運転手だった主人公の父親と、かつてはベトナムでファントム戦闘機に乗っていたが今は重い肺癌で入院している四十五歳の米人宣教師が、とりわけよく描けていた。百回記念の芥川賞にふさわしい出色の作品だと思う。(三浦哲郎「芥川賞選評」より) 続きを読む

ISBN-10: 4167545012
ISBN-13: 978-4167545017